中国政府が仮想通貨への規制を強化! 取引への影響は甚大か

現在も仮想通貨に対して厳しい規制をかけている中国政府が、さらにその規制を強める予定である、と現地メディアが報じました。

中国人ユーザーが国内外において仮想通貨取引やトークン発行を禁止するという、昨年施行された政策「トークン発行を通した融資リスクを防ぐことに関する公告」をより厳格化するものです。

概要

中国人民銀行傘下のメディア「金融時報」では以下のように報じられています。

中国国内外のICOや仮想通貨取引に対して、規制措置を取ることになる。この規制措置の内容には商業拠点の取り締り、国内外の仮想通貨取引プラットフォームサイト等の取り締りと処置が含まれている

出典:金融時報

違反があった場合は「発見次第閉鎖」という制裁が待っていて、状況によってはより厳しい規制措置を取る可能性もあるとしているそうです。

さらに法定通貨(人民元など)と仮想通貨での取引仲介業務だけではなく、仮想通貨どうしでの交換業務も「政府の政策と一致していない」としています。

これは世界最大の取引所であり、香港に拠点を置くバイナンスなどが採用する方式ですね。「バイナンスって何?」って方は以下の記事を参照ください。

規制の第一弾から現在

昨年9月から中国政府が、ICOや仮想通貨取引を禁止していたことは、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

しかし政府の規制を物ともせず、中国の投資家は依然として取引を続けていたのです。

その手法は、中国国外で運営されるプラットフォームを通して仮想通貨取引やICOへの参加をするというもの。かなりグレーな取引が多かった様です。

中国の経済誌「財新」では以下のように報じられていますね。

今後一連の規制措置が発表される予定であり、既に具体的な措置が施行されつつある。一部の取引所では中国国内からアクセスするユーザーへのサービスを停止している。

出典:財新

「財新」に記載されていた一部の取引所に該当するかはわかりませんが、先ほど紹介した取引所であるバイナンスは2月1日に中国本土のユーザーへのサービスを提供しないと発表しました。

仮想通貨やICO関連の広告の消失

上記の報道とほぼ同時期に、中国の最大の検索エンジン「百度(バイドゥ)」や中国版のツイッター「微博(ウェイボ)」から仮想通貨やICOに関連する広告が消えました。

現在では「ビットコイン・仮想通貨・ICO」といったキーワードを検索しても関連の広告が出てこなくなっています。

「百度」は2016年8月から仮想通貨関連の広告の掲載を禁止しています。しかし実際は今の今まで掲載されていた状況で、ついに有言実行された格好です。「微博」は今回初めて公式に仮想通貨関連の広告掲載をしない旨を発表しました。

この流れは日本国内においても例外ではありません。先月末からフェイスブック及び同社が運営する広告ネットワークやインスタグラムにおいて、仮想通貨やICO関連の広告掲載を禁止しています。

なぜここまで規制をするのか

こうした一連の仮想通貨取引に対する規制は、なぜここまで徹底的に行われるのか。

それは仮想通貨の存在が習近平政権の打ち出している政策の弊害に他ならないからです。

もう少し具体的に言うと、仮想通貨取引は、中国政府が重要課題としてあげた3点(汚染防止・金融リスク防止・貧困脱出)のうち、貧困脱出を除いた2点の弊害になっているのです。

まず汚染防止に大きく影響するのが、仮想通貨のマイニングです。

マイニングには大量の電力が使われています。

その電力を作るために二酸化炭素やPM2.5が大量発生することも容易に想像できるでしょう。石炭火力発電が主流である中国には無視できない問題です。

さらには中国国内でマイニングした仮想通貨も仮想通貨のボーダーレスな性質上、国外へ出ていってしまうので政府にとってのメリットがあまりにも薄いのです。

また金融リスク防止の面では、人民元での仮想通貨の購入が大量に行われると、実質的な資金流出になってしまうという懸念があります。

資金流出が続けば人民元安の要因になるため、政府としては何としても阻止したい内容であると言えるでしょう。

以上のことが規制に至る大きな理由であると見られます。

今後の仮想通貨市場はどうなるのか

すでに規制をされていたとはいえ、今まで仮想通貨市場を中国が牽引していたのは間違いありません。

その中国が仮想通貨取引を完全に禁止した事で、仮想通貨の勢いは少なくとも弱まる傾向にあるのではないでしょうか。

先日問題となっていた仮想通貨の「Tether(テザー)」に対する不信感も相まって、世界的にも仮想通貨市場に大きな打撃を与えることは必至です。